執事様のご奉公〈BL注意〉
第1章 朝の目覚めは
一人息子である俺は、常に両親とは離れて暮らし、こうして執事である奏と2人で暮らしている。
そんな俺を放置している罪滅ぼし、きっとそう思っているのだろう。
わざわざ、そんな事しなくても良いのにな。
「隼人様?」
「あ、うん」
「何だか上の空ですね?
私の話なんて聞きたくないですか?」
「ち、違うってば。
ちょっと考え事してて・・・」
「それなら、良いのですが」
偶に奏は『計算じゃないのか?』と思う事がある。
ふとした時に見せる仕草、例えば…お茶を入れる時に髪の毛を耳にかけたりだとか。
そんな一つ一つが、
俺をドキドキさせる。
・・・ああ、やっぱり格好良い。