先生が教えて。
第29章 六年前*総司side*
ーーー隠し撮りをされていたなんて全く気づかなかった。
馬鹿だな、俺は…。
「どうしてほしい?」
俺が訊くと、裕太は待ってましたとばかりに満面の笑みでこう言った。
「愛梨の前から失せろ」
守らなかったらーーー、
と、裕太は写真をチラつかせた。
もう手遅れだ、俺はそう察した。
あの写真を取り上げてもデータは必ず何処かにある。
俺達の関係がバレたら、愛梨ばかりに辛い思いをさせてしまうだろう。
ましてや三年という大事な時期だ。
こんな時期に面倒事を起こしたら、大学入試に関わるだろう。