先生が教えて。
第35章 影
「何かあったなら言ってほしいんだけど?俺、前みたいにすれ違うのはやだし。」
「本当に…なんでもないから」
「…はぁ…、飯
食おうぜ」
総司がどれだけ私のことを大切に思ってるか、それは痛いほど伝わってくる。
だから今は
余計なことは一切
考えないようにしよう…。
「ねぇ」
「ん?」
総司がビーフシチューを食べる手を止めて、私と目を合わせた。
「髪の毛の色…
前とどっちが良かった?」
「別にどっちも可愛いと思うけど」
「…どっち?」
「まぁ…正直言うと、
俺は黒髪の方が好きだけど。
まあ愛梨はどっちも似合ってるよ」
ガシャン!
「大丈夫か?」
総司は私が床に落としたスプーンを拾い上げた。
「今日のお前…らしくないぞ。
体調でも悪いか?早く寝ろよ」
「うん…ごめんなさい。
ちょっと疲れてしまったみたい」