にゃんと喘いでくれるよね
第13章 猫とノラ
プルルルルルルルルルル…
やばい。
緊張してる。
どくどくっとした
心臓の音が耳にリアルに
聞こえてくるのが分かった。
プッ
『はい。にゃんこ喫茶です』
電話口に聞こえた声は
みいじゃなく
昔出会った事のある
お姉さんの声によく似ていた。
「いきなりすみません!!
猫娘知りませんか?!」
いきなりすぎてすみません。
かなり僕も頭痛がひどくて
軽くパニック状態なもんで。
『あっ…子猫ちゃんね?』
「え…子猫ちゃ……ん…っ?
はい!!多分きっと!!そうです!」
『じゃあ…アナタはご主人様ね
柳井りく君』
…ご主人様っ
「…はい」
『子猫ちゃんを探してるのね?』
「…いや…
もし、そこにいるのならば
片を付けたら取り押さえに行くと
お伝え願います!」
『ふふっ…
いい度胸じゃない?
子猫ちゃんを泣かせた罪は
大きいわよ?』
電話口のおくで聞こえたのは
可愛い可愛い僕の猫の声だった。