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身代わりH

第10章 *怒ってる?

その音に振り向くと、教室の入口にはユニフォーム姿のお兄ちゃんが立っていた。




「おまえ…何してるんだ?」




眉間に皴を寄せたお兄ちゃんが尋ねて来る。




「-え…」




-学校でお兄ちゃんに話し掛けられることなんて滅多にない。




しかもあたしの教室に来るなんて初めてのことで、動揺したあたしは言い淀んだ。




「何度言ったらわかるんだ、マネージャーでもないくせにグランドをうろつくな。目障りなんだよ」




「-!-ごめんなさいっ…でも、今日はユミちゃんに勉強教えて貰わなきゃいけなくてっ…」




あたしはお兄ちゃんのそばに駆け寄るとそう訴えかけた。

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