テキストサイズ

身代わりH

第10章 *怒ってる?

「-オレがたっぷり教え込んでやる…わかったな?…ミク」




「-っ!」




お兄ちゃんの鋭い視線に射抜かれ、ゾクリとする。




「出来が悪ければお仕置きだ。覚悟しておけよ?」




「…っ…は…い」




…ど…どういう意味…?




冷たい笑いを浮かべるお兄ちゃんの真意がわからなくて、とりあえず頷くと、




「じゃあな。わかったならさっさと帰れ」




お兄ちゃんはそう言い放って身を翻して教室を立ち去った。




「-……」




少し泥のついたユニフォームの後ろ姿が遠ざかって行くのを、あたしは信じられない気持ちで見ていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ