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身代わりH

第20章 *最後の夜

あたしは弱々しい声で問い掛けてみる。




お兄ちゃんはそれには答えず、鎖骨に口づけてきた。




「-っっ…」




ぴく、と肩が震え、口づけられた部分にピリッと一瞬痛みが刺したかと思うと、強引に顔を持ち上げられた。




「…お兄…ちゃん…?」




暗い部屋の中で見上げたお兄ちゃんの顔は、すごく辛そうに目を細めているように見えた。




…何か…あったの…?




そう思った時、ゆっくりとお兄ちゃんの顔が近づいて来た。




「…雅…っ」




お兄ちゃん…?

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