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身代わりH

第20章 *最後の夜

どうして……?




今の今まで、あたしを抱きしめててくれたのに。




…初めて…初めて抱きしめながら名前を呼んでくれたのに。




この唇にはまだ、温もりが残ってるのに-……。




あの、大好きな温もりは、もう2度と戻らない。




-だけど…わかってた。いつかはこんな日が来るって。




いつかは…お兄ちゃんに飽きられて捨てられる日が来るって…。




…わかってた…わかってたから…平気だよね…?




-あたしは必死に自分にそう言い聞かせたけど、溢れる涙は一晩中止まらなかった。

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