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身代わりH

第4章 *お仕置き

お母さんが「しょうがないわねぇ、雅は…」とダイニングの扉を閉める音が聞こえると、お兄ちゃんはまたあたしを見据え、




「-わかったな?もっと自分の立場をわきまえろ。母さん達の前では普通に振る舞うんだ。そうすれば…」




と言ってあたしの顔を覗き込み、




「…悪いようにはしないから」




ちゅっ。




軽くキスしてきた。




-ドキッ…。




「…さ、行くぞ」




そして、ポン、と頭を撫でると、お兄ちゃんは階段を降り始めた。




「-………」




あたしも仕方なくお兄ちゃんに付いて階段を下りる。




ダイニングに入ると-…、お父さんがナイターを見ながら夕食を食べていた。




「お、寝ぼすけがようやく降りてきたな」




「まったく、表裏逆なんて、いい年頃なのにはしたないわね。雅もそろそろお兄ちゃん見習って落ち着きなさい」




コトン、とスープを置きながらお母さんが言った。




「…はぁい」




お兄ちゃんを見習って、か…。

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