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身代わりH

第4章 *お仕置き

「…お兄ちゃんのバカ」




「バカにバカって言われたくねーな」




「…う」




あたしは悔しくてお兄ちゃんを睨み付けてやった。




ちっとも似ていない、お兄ちゃんの整った顔を…。




俯いて影の落ちた長い睫毛、伏せられた切れ長の目、スープをすする薄い唇…。




「………」




…やだ、なんであたし、こんなに見つめちゃってるんだろう。




睨み付けるつもりが、見とれてるなんて。




「…なんだよ?」




ドキッ。




「………」




視線に気付いたお兄ちゃんと目が合って、あたしはぷいとそっぽを向いた。

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