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身代わりH

第4章 *お仕置き

…どうして、言えないんだろう。




あたしのしてたコトがばれるのは確かに嫌だ。




だけど…本当だったら…、普通の兄妹だったら、そんなのも厭わないほど、お兄ちゃんにされたことの方が嫌なはずじゃないの?




-………。




あたし…。




「…雅?珍しいな、体調でも悪いのか?」




気付くと、お父さんが心配そうにあたしを見ていた。




カチャ。




あたしは持っていたフォークを置いて立ち上がった。




「うん…あんまり食欲ないかも…ごちそうさま」




「…雅?」




あたしが自分の食器を片付け立ち上がると、お母さんが怪訝顔で首を傾げ、お兄ちゃんに「どうしたのかしら?」と視線を送っているのがわかった。




「放っとけよ」




ダイニングを出たあたしの耳に、お兄ちゃんの呆れたような言葉が届いて来たけど、構わずに自分の部屋へ戻る。

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