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身代わりH

第8章 *サッカー

「あ、ううん!全然いいよ!あたしが教えてもらいたいだけだし」




あたしは慌てて手を振った。



野球部でもないあたしがここにいるのは、明日提出の物理の課題をユミちゃんに教えてもらうためだ。




「そぉ?でも普通に6時くらいになっちゃうよ?」




「うん、平気♪」




ここにいればお兄ちゃん見ていられるし。



そうして力強く頷くあたしに、ユミちゃんが言った。




「でもずっと待たせるのも悪いし…あ!ねえねえ雅…、ここでもいい?」




「…え?」




首を傾げるあたしを見て、ユミちゃんは座っていたベンチを指差した。




「ココでやっちゃおう♪今ちょうど紅白試合しててやることないし、ね?」




「…ユミちゃんがいいなら…いいけど…大丈夫なの?」




「大丈夫大丈夫♪マネなんてそんなもんよ。プリント、取って来な?」




「う、うん…」




ニコニコ笑顔でそう言われ、あたしはグランドを後にした。

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