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身代わりH

第8章 *サッカー

なのにお兄ちゃんは、入学寸前の2月頃に突然その推薦を辞退した。




こんな普通の高校に入るより、もっと相応しい道があったのに…どうしてなんだろう。




未だにそれは不思議だけど、お兄ちゃんが自分のことを話したがらないのは知ってるから、あたしも何も聞かないことにしていた。




-生徒会長になった時も何も教えてくれなかったし、国立大学進学のためにスカウトを蹴ったことも噂で聞いただけだ。




『…おまえ…初めてだよな?』




それなのに、お兄ちゃんはあたしが処女だって知ってた。




いつでもそう、なんでもお兄ちゃんにはお見通し。




きっと、変な理由つけてこんなところにいるのもバレバレなんだろうな…。




そう思いながらも目はお兄ちゃんを追ってしまった時。




「てゆーか、ごめんね雅。今日は早く抜けられると思ったんだけど…」




ユミちゃんがあたしの隣に腰掛けて謝って来た。

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