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窓桜

第1章 1


「そんなことねーよ」

祐は、はぐらかすならもう聞いてやんない、とでも言ってる様な顔をして顔を私から背ける。

「祐は、彼女いないの?」

少し気になってたことを聞いてみる。祐介が誰かを好きと言う話は小学生の時以来聞いてない。樹里ちゃんという幼なじみの名前を出してみる。

「やっぱり、樹里ちゃん?」

「なに言ってんだよ。あるわけねーだろ」

「お姉さまに向かって、ねーだろって、なぁ~に?」

直感的にこの話題は避けた方が良いって事がわかる。祐の顔には焦りが見えるし、多分私には余裕が無い。
でも、一回聞いてしまうと止まらなかった。

「祐、やっぱ。好きな子できたでしょ。何か最近、祐が酔っぱらった時以上に色気出てるもん」

止まれ・・・止まれ
自分の顔が以上に笑みを浮かべているのがわかる。
やめろ・・・やめろ

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