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窓桜

第1章 1

「おろしてっ!」

私の腰を悠々と抱き抱えるこの暖かい少し筋肉質な腕は、もう、私の物じゃない。
祐の胸を叩く、男らしくなった祐の体はいつの間にか私の事を抱き込んでいた。

「やだよ。

おろさない」

「・・・っえ」

「なんだよ!姉貴ばっか!!

今日だって男の匂いつけて帰って来ってきた!
なんなんだよ!俺ばっか、
俺ばっか、
俺ばっか、あのシャンプーを使い続けてんだよっ!
柚良が好きって言ったから、

なんで、姉貴からは違うのの匂いがすんだよ!」

「祐?」

「・・・」

私を抱き抱えたまま、祐は私の髪に顔を埋めた。
私のシャンプーの香りと祐のシャンプーの香りが混ざる。

それは酷く、甘かった。


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