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第2章 土曜日
――ズキッ
「ぇ…」
突然、背中を強く叩かれたかのような、後ろから勢い良く突き飛ばされたような…
そんな激痛が基樹を襲った。
それに、この痛みは半端なものではない。
基樹が死を覚悟したことが、一つの証拠だった。
「…ガ…ガハッ…」
咳をした時につい、反射的に手を口に当ててしまった。
…手には血が付いていた。
「…ゲホッ…カハッ…」
職員室の床に基樹の血が飛び散る。
基樹の視界が悪くなっていく。
目眩がし、とうとう基樹は膝をついて崩れた。
とても虚ろな基樹でも…はっきり聞こえたものがあった。
意識が途切れる1秒前…――
基樹は見覚えのある、ソフトな低音で滑らかな“あの声”を聴いた。