私のオネエちゃん
第12章 疑惑
父「ただいま」
恭平「!?」
真子「お父さん…」
父「?」
玄関を出ようとした時
タイミング悪く父が仕事から帰って来て
しまった
父の顔を見たら
家を出る決心が揺らぎそうで
正直、会いたくなかったが家を出る事
父にも伝えなければ
ならなかった
父「そんな荷物持って、どうした?」
真子「…」
父「真子?恭平?」
恭平「父さん、俺達しばらくの間、家を
出るから」
父「家を出るって…二人でか?」
恭平「詳しい理由は母に聞いてください
真子、行こう」
真子「…うん」
父「真子」
真子「…」
父「…」
父の視線を
背中に感じながら
真子は恭平とバスに乗り込んだ
目的地、行く宛てなどない二人だったが
これからの事をゆっくり考える為にも
今夜は格安ホテルに
泊まる事にした
恭平「真子、ごめん…本当は別々に部屋
泊まれれば良かったんだけど…」
真子「別々の部屋なんてダメだよ、お金
あんまりないんだから」
恭平「そうだけど…一応さ…」
真子「一応、何?」