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私のオネエちゃん

第14章 別れの時



真子「…ごめんね…わざわざお見舞いに
来てくれたのに…」

海斗「いや、水、冷蔵庫に入れとくから
後で飲んで」

真子「…ありがとう」

海斗「…」



自分に好意を寄せる海斗
その気持ちに気づきながら真子は海斗の
優しさに
甘えてしまった
風邪で弱っているとはいえ
父も由美子も、恭平もいない家に海斗を
上げるのは少し無防備な
気がしたが…



海斗「後片付けは俺がやっとくから真子
はもう休んで」

真子「…ありがとう」

海斗「…」



これ以上
甘えるべきではなかったが
後片付けなど海斗に任せ真子は眠ってし
まった



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



真子「…んっ」

海斗「真子?」

真子「お兄…ちゃ…」

海斗「…」



熱にうなされ
恭平の名前を呼んだ真子
相変わらず、恭平からの連絡は一切なく
震えながら
必死に手を伸ばしても
恭平がその手を握りしめてくれる事は
なかった



真子「お兄…ちゃ…」

海斗「…」



差し出した手
その手を強く握り返してくれた海斗
熱を帯びた手から伝わる海斗の手の温も

それは…


真子「…違っ」

海斗「えっ」


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