私のオネエちゃん
第7章 過去との決別
ガチャッ(ドアを開ける音)
真子「…」
恭平「…」
部室はあの頃のまま
真子が辞めた時から特に変わった様子は
なかった
真子「…懐かしいな」
恭平「…」
真子「毎日ここで着替えて…準備して…
夜遅くまで走ってた…」
恭平「そうなんだ」
真子「…うん」
懐かしい思い出
楽しかった事や苦しかった事など
この場所で真子は色々な事を経験してき
た
でも…
真子「…」
このロッカー
自分の名前が貼られたロッカー
この中身を片付けたら本当に終わってし
まう
自分と陸上を繋ぐ接点が
これで本当になくなってしまう
そう思うと…
真子「…」
恭平「真子…」
真子「…大丈夫だよ」
そう思うと
なかなか行動に移せなかったが
覚悟を決め真子はロッカーを片付け始め
た
ロッカーの中には
真新しいシューズと替えのジャージが
残されていた
真子「…」
恭平「それ、真子が使ってたの?」
真子「…うん」