あたしは被害者
第9章 どっちもぶっ壊す
翌日、
達也が迎えに来る前に
教室をさっさと出た。
デートの約束があった。
放課後デートだ。
そんなもん、
もう飽きた。
美男美女カップルを
町中に見せつける快感も
今から始まることの
興奮にはおとる。
「いらっしゃいませ~」
三十路ほどの女性が
あたしを迎える。
「待ち合わせしてて……
あ、
桶川さんっ!」
あたしは店員を放置したまま
桶川の元へ。
「あれ、早かったね」
「ソッコー教室出て
走って来ちゃった」
「ええ!?
バスも乗らずに!?」
桶川はメニューを開いて
あたしに見せる。
「ちがうよっ!
着いてから
ここに来るまで!
うーん……ココアかな」