あたしは被害者
第9章 どっちもぶっ壊す
あたしはココアを待ちながら、
桶川はコーヒーを飲みながら
お互い
話が盛り上がっていくのを
楽しんだ。
「そー!
クラスのみんなが賛成して
体育祭は女子みんな
チアの格好しなくちゃいけなくて……」
「いいじゃん
笑みちゃんのチア姿
見てみたいなぁ」
「えー……」
頬杖をつく桶川の
空いてた左手を
両手でぎゅっと握りしめた。
「じゃあ見に来て……?」
桶川はすこし驚いてから
またいつもの笑顔で
「うん」
やっぱり
子供とはちがう、
大人なんだ
あたしが落とそうとしてる相手。