あたしは被害者
第9章 どっちもぶっ壊す
この光景を見たら
誰もが母と娘で支えあう
いい家族だと思うだろう。
きっと
ママだって
自分たちが悪い家族とか
不自由な家族などとは
思ってない。
でもあたしは
あたしだけは違う。
いい家族なんて
そーゆーの
求めてないの。
学校であったことを話す今、
笑顔でパスタを食べる今、
『ママ』と呼ぶ今、
あたしはずっとわらっている。
ずっと
わらっている。
まるで笑顔が顔に
こびりついたかのように
ずっと。
今ではもう、
この顔こそが
あたしの裏の顔なのかもしれない。