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あたしは被害者

第6章 ママの彼氏


あたしは桶川に
さようなら
とだけ言うと、

外に出るママと桶川の
背中を見つめていた。


リビングに戻って
鞄を持って部屋へ向かう。


まだドアの音がしない。


好き同士だと
なかなか離れられないよね。

ついついしゃべっちゃうよね。


でもそれは
若い人たちの話。


あんたらみたいに
40すぎた
ババアとジジイが
イチャイチャしてるとこ

見せつけられるこっちの
身にもなれよ。


気持ち悪い。


しかも女の方が
うちのママって……。

マジない。


ママは確かに
40には見えないような
顔してるけど、

それでもシワはあるし
老けてる。
いつも見てる顔。


それが桶川と会ったら
違う顔してる。

女の顔してる。


気持ち悪くて
吐いてしまいそう。


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