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さきゅばす

第4章 平凡な毎日!?

「それで一体どんな理由で海外にいくつもり」

母はビールを机に置いて、片手でプシュッと開ける

「もうわたしも高校生だから、そろそろ社会に出てみたいと思って」

「はぁ」

「それでゴールデンウイークの間だけ、マネージャーの仕事がしたいの」

私は思い切って本当のことを言うことにした

「なんのマネージャーをやるの?」

「テレビとかで出てる菜摘っていう人のマネージャー」

「うそでしょ!?」

「ほんと。…今度挨拶に来るって」

「だったら……いいんじゃない」

母の素っ気ない回答に、私は「はぁ?」と普段の1オクターブ上の音を出してしまった

「ただし!」

ビールを手放し椅子に座り直すと、ジッと私を見つめる

「桜。あなたも28回目の生理を迎えたんだから、シッカリ覚えておいてほしいことがあるの」

「……はい」

「これから話すことは、絶対に他人に言っちゃダメだからね」

「……はい」

「私たちのね、ひいひいひいお婆ちゃんは、魔女狩りから逃げてきた淫魔、つまりサキュバスなの」

「……はい?」

「桜にはまだ分からないだろうけど、男が好きなフェロモンを汗と一緒に分泌してしまう体質を、ずっと引き継いでいるの」

「……ええっ……」
「でも、それは花粉症とかと一緒だから……それ以外はみんなと同じなんだからね。
分からないこととか、何でもお母さんに聞きなさいよ……」

辛そうに私の手を握る母を見て、なんかダメな血筋なんだなと思った

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