さきゅばす
第4章 平凡な毎日!?
初の海外!
初の飛行機!
しかも、タダ!!
離陸前からずっと窓に張り付く私
あっという間に天空に吸い寄せられ、もう私の家も見当つかず、方角も分からない
海岸線が見え、ちっちゃな船とその軌跡が白い点になり遠ざかっていく
やがて延々に海が続いて、だんだん普通のテンションに戻ってきた
「桜ちゃん。忘れないうちに言っとくけど、このお店のお茶をリストに書いてある分だけ買ってきて」
「……え、こんな大量に買うんですか!?」
「うん。それと、このお店の料理を私の名前で送ってね。料理と送り先はあとでメールで送るから」
「ハ、ハイ」
「あと……」
ナツさんは喋りながら、買い物リストをガンガン渡してくる
そして最後に
「空港に着いたら、私はホテルに直行するから。今日の6時のライブの準備よろしくね」
「ハ、ハイ。……って、ええっ! 私、ライブの準備なんてしたことないです!」
ナツさんはフフッと笑って、私の肩を叩く
「冗談よ。ちょっとからかっただけ。現地スタッフの人が準備を進めてるから、6時に私の部屋に来て」
「ああ……よかったです」
ほっと胸をなでおろす
「そんなに気張らなくてもいいよ。買い物も現地スタッフのアキっていう奴に聞けば全部教えてくれるから」
「そ、そうなんですか。……ほんとよかったです。中国語も英語も分からないから……日本語も微妙ですけど」
ハハッとナツさんは笑うと、顎に手をあててどこか遠くを見つめる
「そうね。言葉は本当に難しいと思う。でも臆病になるのは違う。相手に伝わるまで、いっぱい喋るほうが、私は楽しいし生きてるって感じがするの」
ナツさんの目が子供のようにきらきらと輝く
やっぱりナツさんは平凡な私なんかと違うんだなと思った
初の飛行機!
しかも、タダ!!
離陸前からずっと窓に張り付く私
あっという間に天空に吸い寄せられ、もう私の家も見当つかず、方角も分からない
海岸線が見え、ちっちゃな船とその軌跡が白い点になり遠ざかっていく
やがて延々に海が続いて、だんだん普通のテンションに戻ってきた
「桜ちゃん。忘れないうちに言っとくけど、このお店のお茶をリストに書いてある分だけ買ってきて」
「……え、こんな大量に買うんですか!?」
「うん。それと、このお店の料理を私の名前で送ってね。料理と送り先はあとでメールで送るから」
「ハ、ハイ」
「あと……」
ナツさんは喋りながら、買い物リストをガンガン渡してくる
そして最後に
「空港に着いたら、私はホテルに直行するから。今日の6時のライブの準備よろしくね」
「ハ、ハイ。……って、ええっ! 私、ライブの準備なんてしたことないです!」
ナツさんはフフッと笑って、私の肩を叩く
「冗談よ。ちょっとからかっただけ。現地スタッフの人が準備を進めてるから、6時に私の部屋に来て」
「ああ……よかったです」
ほっと胸をなでおろす
「そんなに気張らなくてもいいよ。買い物も現地スタッフのアキっていう奴に聞けば全部教えてくれるから」
「そ、そうなんですか。……ほんとよかったです。中国語も英語も分からないから……日本語も微妙ですけど」
ハハッとナツさんは笑うと、顎に手をあててどこか遠くを見つめる
「そうね。言葉は本当に難しいと思う。でも臆病になるのは違う。相手に伝わるまで、いっぱい喋るほうが、私は楽しいし生きてるって感じがするの」
ナツさんの目が子供のようにきらきらと輝く
やっぱりナツさんは平凡な私なんかと違うんだなと思った