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さきゅばす

第4章 平凡な毎日!?

宣言通り、ナツさんはホテルに直行する

私は荷物をカートに乗せてスタッフの待ち合わせ場所を探す


空港の案内図を見ると日本語はないけど、なんとなく分かる

向かおうとした時、凄い勢いで後ろから人がぶつかった

「きゃっ!」

すぐにカートのハンドルを握って、山のような荷物が崩れないようにした

「……あっぶない」

ぶつかった人は「ソーリー」と言って笑顔で去って行く

もう、と思ってカートを動かそうとしたとき、黒っぽい服を着た男性がぬっと横から飛び出した

革ジャンを着たその男は、ぶつかって去って行く人の手首をひねり上げる

中国は治安が悪いって聞いてたけど、いきなり暴力!?

そう思って逃げようとカートを回すと

「おい。そこの女」

振り返ると、何かを投げつけられる

なにこれ…

それは間違えることのない私の財布と、パスポートだった

革ジャンの男は前髪で目が隠れていて、声も低く暗い

「気をつけろ、かなづち女」

それだけ言って去って行った

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