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さきゅばす

第4章 平凡な毎日!?

ババババ……

軽トラは異常な音を出しながら、超幅広の道路を駆け抜ける

ババババ……

隣の高級車に乗っている同世代の女の子に笑われる

「いつまで乗ってないといけないの」

「あと30分」

ナツさんに電話して確認をしたけど、このアキという人はスタッフの一員らしい

しかも

「アキは焼きスルメみたいな男よ。一夜でいいから、相手してくれないかしら」

と、かなりのお気に入り


一体どこがいい男なんだろう、と横目で見る

ひげは剃り残しがあるし、寝ぐせもある

とにかく男臭が……嫌。



車は昔の租界近くを通ると、さらに人と車が多くなる

「着いた」

「……げっ!」

アーケードを埋め尽くすように人がいる

祭りか! と、つっこむ。

「サクラ。俺から離れるな」

「えっ……。なんで?」

「そして、バッグと財布を手にしっかりと握り、俺がいいと言うまで絶対に離すな」

「わ、わかりました」

アキと2人で人を押しのけながら、アーケードを突き進む


途中で何回もバッグを狙われる

ウソっていうぐらい、本当に狙われる

がっちり握られてバッグを持っていかれそうになると、アキが間に入って威嚇したりもする

店に入ったら、アキが店主と口論して値切りに値切る

買った物を麻袋に入れて、担ぐと次の場所に向かう

アキは次の店へ迷うことなく突き進む

私はとにかく、買い物の全費用を賄う財布を守りながら、アキに付いて行くのが精一杯


そうして、超ハードな買い物が終わった

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