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さきゅばす

第2章 ちょっとした変化

昼休み

ユイを連れて図書館に向かう


「ねぇ、数学の時間、みんな変じゃなかった?」

廊下を一緒に歩きながら、ユイは小さい口に指をあてて考える。

「あー、そういえば……」

そのとき、不意に数学の先生が声をかけてきた。

「香水の匂いがしますけど、あなた香水つけてるの?」

刺すような視線で私を見る。

「い、いえ……」
「そんなはずはないわ」

と、近づいてくる先生から香水の強烈な匂いが押し寄せてくる。

もちろん私は香水なんか使っていない

「母が使っているやつが、ついてしまったかもしれません」

と適当なことをいった。

「あら、そう……お母様は何を使っているの? ブランドは?」

分からないと言ってもしつこく聞いてくる

「今度、母に聞いてきます」

と、したくない約束をして、その場から逃げた

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