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仮面な人たちの恋愛夢小説

第10章 飼って飼われて愛されて、(WBL)

翌朝。二人は重い体を起こし少し遅めに事務所へと向かう。
事務所ではフィリップが待ち構えていた。

「お帰り翔太郎。昨日は帰って来なかったけど──」

「‥‥照井と飲んでた」

「照井竜と?‥‥まさか…っ」

「あぁ。照井の奴知ってた、全部な」

「彼は何て?」

知りたいなら自分で聞けとディスクの椅子に座る翔太郎。
それを尻目にフィリップは何処か悔しそうに歯軋りをした。
恐らく照井に翔太郎を盗られたと悟ったのだろう。
フィリップの嫉妬心は募るばかり、そんなとき、今日も彼は現れた。

「照井竜…よくも翔太郎を…!」

「悪いな相棒。俺は照井を愛しちまった…相棒なんかよりもずっとな」

フィリップが音もなく崩れ落ちたのを見た照井と翔太郎。
同時にフィリップの中で何か芽生えたものを二人は知っていた。

「翔太郎…っ──」

フィリップが何かをいいかけて、そんなフィリップの言葉を遮る様に照井と翔太郎は静かにフィリップの手を引いてガレージへと姿を消した。
その後、フィリップの甘い喘ぎが夜な夜な響いていたことに気付いていた者は“主人”二人だけだった──。

飼って飼われて愛されて END

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