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「常連さんの次狼ちゃん。こっちは華桜ちゃん」

「まさかマスター…」

「次狼ちゃんが考えてるようなことはないよ。この子は訳あってウチに置いてるの」

マスターの話しによれば事は一週間前に遡る。
いつも通り営業時間を終えて店終いをしていた時、突然雷でも起きたのかのように光り、気になったマスターは外に出てみると店の前にこの華桜という少女が傷だらけで倒れていたという。
放っておく訳にもいかず、訳も分からないまま少女を抱えて店へと入れたマスターは傷の手当てをし、その内に少女が目を開けたという。
黒く不純のないその瞳は、何処か物欲しそうだったので語りかけてみると少女は小さく頷いて答えた。
出会ってから初めの三日間は言葉を発することなく頷くか首を振るかしなかった少女だったが、マスターに慣れてきたのか少しずつ単語ではあるものの、言葉が通じるようになったらしい。