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仮面な人たちの恋愛夢小説

第12章 咲く華、桜の如く(K)

──気分転換にカフェ・マル・ダムールにやってきた次狼。
次狼はこの店の常連で、お気に入りは此処のマスターが淹れたこだわりのブラックコーヒーだ。

「それで、最近その奇妙な夢ばっかり見るって?」

「ああ。不思議だったが、悪い気?しなかった」

「ふぅ~ん‥あ、意外にそういう毎日見るような夢って正夢だったりするのかもよ?」

「そうなのか?」

「うん。僕は何回か正夢だったことあるし」

マスターの正夢は、見たことない新しい珈琲に出逢ったり、いつもよりお客が沢山店に来たりと言った現実に有りそうなごく普通のことだったという。
次狼の夢の話をしていると、店の奥から何やら人影が…──

「あら?おはよう華桜ちゃん」

『‥はよ』

寝起きなのか目を擦りながらマスターと話す小さな少女。
真っ黒なロングヘアーにカチューシャを身に付け、胸元に紅い雫型が目立つネックレス淡い桃色の冬物のワンピースに白いレギンス姿の十歳くらいの少女はマスターに“華桜”(かお)と呼ばれているらしい。
少女は見慣れない次狼に目を止めた。

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