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仮面な人たちの恋愛夢小説

第16章 love music(K)

「俺はお前から聴こえてくる音楽が好きなんだ。だからお前を選んだ」

『音也…』

「何だ?俺に惚れ直したか」

『まぁ…そうね。私をちゃんと見てくれている貴方は好きになれそう』

「俺はいつでもお前を見ている。だからお前も俺を見ろ」

どちらからとも言わず求め始めた指先は自然と繋がれる。
今度の彼女は嫌がる様子はなく、むしろ音也を引き寄せて、音也もそれに応えている。
不意に、ベッドへ誘導した音也に彼女がいう。

『また後でちゃんとバイオリンのレッスン、してよね』

「勿論だ」

身体を重ねる二人の大人のレッスンは夜毎続いた。
部屋には、二人の幸せそうな寝顔と、二人が抱き合って眠る寝息という音楽だけが奏でられていた──

love music END

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