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仮面な人たちの恋愛夢小説

第3章 まだ見ぬお宝(D)


ブーッブーッ…──

警報器が作動する中、一人の男が外へと急ぐ。
遠くから聞こえてくるサイレントと共に、警察が屋敷に向かってくる。

「随分早いな‥」

柵から飛び降りた男・海東大樹、生粋の怪盗だ。
その手口は大胆かつ巧妙な手口で、彼の手にかかれば盗めない物はない。
彼が屋敷を離れようとしたその時だった。
彼の前に、一人の女が立ち塞がる。

『待ちなさい、海東大樹』

「其処を退きまたえ、君に構っている暇はない」

『そうは行かないわ、盗んだ物はちゃんと返してもらうわよ!』

「‥冗談は口だけにしてくれないかな?」

『私はいつでも真剣よ』

彼と奮闘中の刑事・白石栞那は、2ヶ月ほど前に正式に刑事となった新人刑事。

彼女の中でもっとも許せないとしているのは、空き巣や金庫破り等と言った窃盗。
彼女に取って海東は、まさに許されざるべき窃盗犯だった。

「…話しは後だ」

『何ですって??…っ!?』

[グゥゥゥ…]

異様な静寂と不気味さを兼ね備えた得体の知れないそれに気付いた海東が、咄嗟に彼女の腕を掴んで駆け出す。

「来たまえ‥!」

『えっ、ちょっ…!』

近くの廃墟へと逃げ込む二人。
海東は少し面倒臭そうな顔をして言った。

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