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仮面な人たちの恋愛夢小説

第21章 愛する人へ(D)

彼女の亡骸を抱き寄せる彼は、彼女を強く抱き締めて静かに涙を流す。

「僕に取っても、何より君が一番のお宝だった‥‥僕は君を忘れないよ。絶対に」

彼女の亡骸が心なしか微笑みを浮かべている。それはまるで、彼の言葉を聞き安心したかのよう。

静けさを保った部屋と彼女の微笑みに、愛するものを失った悲しみに暮れる彼の叫び声だけが響いていた──

愛する人へ END

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