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仮面な人たちの恋愛夢小説

第21章 愛する人へ(D)

『大樹さんへ

貴方がこの手紙を読んでいる頃、私はもう貴方を忘れてしまい、貴方の傍にはいないでしょう。

私は貴方を失うことが怖かった。

一緒に旅をした時間
楽しかった時間
貴方を想っていた時間

すべて私に取っては、旅をして手に入れたお宝よりも何よりも大切なお宝だったから。

私は、大樹さんが好きでした。
今も、これから先もその想いは変わりません。
大樹さんはどうだったんでしょうか?
貴方の気持ちを知る前に貴方の傍を離れてしまうのは、唯一の私の後悔かもしれません。

だけどいいんです。
貴方といられたことが何よりも嬉しかったから。

大樹さん。言葉にして伝えられないのが最後の後悔ですが、言わせてくださいね。

愛してます

ずっとずっと、愛してます

大樹さんを忘れてしまった私だけど、大樹さんだけは私を忘れないで

貴方が覚えてくれている
貴方の中で生きている

それだけで私はきっと、幸せになれますから』

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