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仮面な人たちの恋愛夢小説

第3章 まだ見ぬお宝(D)

『もうこんなこと、辞めて下さい…っ』

「奏恵、離れなさい…っ」

姿を変えた凍堂にしがみつくのは彼の妻・凍堂奏恵。
奏恵は歪んだ感情で動く凍堂を元に戻そうと必死だった。

『貴方が愛の素晴らしさを履き違えてしまったのはいつからですか?出逢った頃の貴方と今の貴方は全くの別人です‥とても優しかった、なのにどうして…!「お前に何が分かるッ!私の気持ちは誰にも分かりやしない!」』

『そう思っているのは貴方だけよ!』

「何がいいたい」

『奥さんが貴方の女癖の悪さに気付かないとでも?』

「何だって‥」

『貴方の帰りが遅い理由を最初から知っていたわ。でも貴方はずっと誤魔化して本当のことを言ってはくれない、だから私貴方に合図をしたわ、一度だけ。』

凍堂は一度、奏恵に口を聞いてもらえない時があったのを思い出す。
取り乱した凍堂はその内にファンガイアの力が抑えられ人間に戻っていた。
初めて妻の本心に気付かされた凍堂は彼女に歩み寄り、抱き締める──

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