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「僕達はお邪魔みたいだ、行こう」

『えっ、でも‥』

「いいんだ。今はもっと大事なことがある」

零と奏恵の様子を見ると栞那を支えてそっとその場を後にするディエンド。
屋敷から少し離れた木陰に身を置き変身を解除、栞那をその場に降ろした。

「良く耐えたね、奴等の攻撃」

『これでも刑事よ?見くびられたら困る』

「…君のお陰で僕の知らなかったお宝が見つかった」

『まさか海東‥貴方』

「まぁ、これは予定通り。でもこれじゃない」

『どういうことよ』

海東は二つの屋敷で得た指輪を栞那に見せつけるとそれなりに満足そうな笑みを浮かべる。
次にこう言葉を続けた。

「愛‥というやつさ」

『…愛』

立ち上がった栞那が体制を崩し倒れそうになる所を海東が支えた。
そしてそのままその体制を直すのと同時に背後を捕らえる。

「僕のお宝になる気はないかい」

栞那の思考が提出する。
この男は冗談と真実の見分けがつかない為に彼女は妙な混乱を引き起こしている。

「聞こえなかったのかい?」

『き、聞こえたわよ!』

「じゃあ返事は?」

彼女の顔を除き込み見つめる海東は真剣な眼差しだ。
だが信用出来ない栞那は目線を反らす。

『冗談は顔だけにして』

「信用出来ないのかい?」

『当たり前よ』

「それは僕が君の一番嫌いな窃盗犯だからかな」

『そうよ‥っ』

次の瞬間だった。
海東の顔が目の前で彼女の思考を停止させ、何処か夢中にさせる何かで魅力する。