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仮面な人たちの恋愛夢小説

第45章 お前だけの特等席(鎧)

風呂場に向かった彼奴を見送ると俺はベッドに身体を沈めた。


ダブルベッドの右側はいつも彼奴の香りがしている。


女らしい、甘くてくぎずけになるような───そんな香りだ。


右側に身体を傾ければ、すぐに彼奴を感じられた。


『戒斗』


風呂上がりの髪を乾かした直後の彼奴が部屋に戻ってきた。


疲れきった様子の彼奴に、俺が起き上がって両手を広げると彼奴はそっと抱き着いてくる。


「‥‥お疲れ」


『うん』


まだほんのりと暖かい髪に触れながら頭を撫でると彼奴は抱き締める腕に力を込めた。

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