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仮面な人たちの恋愛夢小説

第7章 約束のドラゴン(W)

『変身するんだ』

「‥変身」

晴人はウィザードに変身。
そして指輪を使ってドラゴンを呼び出す。
ドラゴンを目の前に、桃魅の身体に変化が──

『シルバー…っ』

ドラゴンに触れる桃魅。
ドラゴンは何かを感じ取ったのか桃魅の周りを飛び回る。
そして桃魅がシルバードラゴンの描かれた指輪をドライバーに翳す。
すると桃魅の背後から、夢で見たあの目映いばかりの光を纏ったドラゴンが姿を現した。

「それが、お前のドラゴン‥」

『シルバードラゴン。私も、お前の様に日食の日に、自分の中のファントムを抱え込んだ』

「それで今のお前があると言うことか…」

『そうだ‥私は光が嫌いだった。だが、闇に飲まれるのはもっと嫌だった。だから私は足掻き、そして、光でも闇でもない影を選んだ』

「影…?」

『そう‥あの日、私はあの方の影として生きることを選んだ。自分に手を差し伸べてくれた、あの方の影に…』

不意に、正面を向いた桃魅がウィザードの方に身体を向けると、ゆっくりと白いローブのフードを指輪が嵌められている手で外した──

「ぁ…」

『お前には特別だ、操真晴人』

ロングのストレートヘアに白のメッシュが伸びている。
顔立ちはまだ幼く、だが何処か大人の雰囲気を醸し出している。
ウィザードを見つめる吸い込まれそうな魔方陣を象った琥珀色の右目が、晴人の視線を引き付けた。

「光、嫌いなんだろう?」

『此処にはお前という影がある。だからいられる』

二体のドラゴンが二人の頭上を飛び回る。
見上げる二人は、やがて二体のドラゴンが造り出す世界へと呼び込まれていた。
ウィザードの姿ではない、晴人は晴人の姿になっていた。

〔桃魅、ありがとう。やっとドラゴンに逢えたわ‥〕

〔我からも礼を言わせてもらう‥〕

『良かったわね。シルバー、ドラゴン』

「この際だ、教えてくれドラゴン」

『恐らく、私も操真晴人と同じことを考えているはず…教えて。シルバー』

〔‥仕方ないわね〕

〔話すことにしよう。我らの約束を…。〕

「約束…?」

二体のドラゴンが向き合う。
晴人と桃魅は二体を見上げた。

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