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病院に着いた戒斗は受付で聞いた病室を探し歩いた。
病院に彼女はいると分かった後も、底知れぬ不安が彼を襲った。
──“乙咲瀬奈”
彼女の病室に辿り着いた。
少し怖くなって躊躇ったが、ゆっくりと扉を開いた。
するとそこには変わり果てた彼女の姿があった…。

「っ…!?」

変わり果てた彼女の姿を目の当たりにした戒斗はすぐにでも目を反らしたくなる。
彼女の傷は思っていたものよりも酷く、何よりも呼吸器を付けた彼女の真横にあった愛用のあの眼鏡が見るも無惨な状態になっていて、その悲惨さを物語っていた。
看護師の話によれば、戒斗と連絡を途絶えてから三日後のこと、一度一瞬だけ意識を取り戻した時彼女が口にした言葉があったという。

──“ごめんなさい”
ただ一言、そう呟くように言ったと思えばまた深い眠りについてしまったという。
その事を聞いた戒斗は突然何か思い出したかのように徐にポケットに手を入れ、あの小さな小さな巾着を取り出した。
中の指輪を取りだし、彼女同様、右手の薬指にに指輪を嵌めた。
指輪は、何故か戒斗にピッタリとサイズがあっていた…。
それから戒斗は彼女の右側に付くと彼女の右手を布団から出し指輪を眺めていた。
指輪は、彼女の右手の薬指で強く輝いていた──。