仮面な人たちの恋愛夢小説
第9章 愛が強さに?蜂蜜と指輪の思い出(鎧)
ゆっくりと彼女の手を握ると、不意にピクリと小さいながら指が反応した。
「おい‥!しっかりしろ!」
たまらず呼び掛ける戒斗。
すると右手は更に反応を示し、小さく戒斗の手を握り返したのが分かった。
『くも‥ん‥か‥いと…』
微かに動いた唇に、戒斗はずっと呼び掛けていた。
やがて、ゆっくりとその目が開いた。
『貴方、どうして…』
眼鏡がなくても、戒斗のその険しい表情を見て取れた彼女は戒斗の目を見詰めた。
「お前が入院したと、仲間から聞いた…どうしてこうなったんだ」
『あの日、あの後私、逢ってしまったんです‥‥二度と逢わないと思っていたあの父親に。…私、怖くなって、逃げようとしたけど遅かった‥体はすくむし声は出なくて、気付いたら全身傷だらけで、意識が遠くなったと思ったら…もう…っ』
──ザックの話が頭を過る。
やはりあの噂は本当だった。
「おい‥!しっかりしろ!」
たまらず呼び掛ける戒斗。
すると右手は更に反応を示し、小さく戒斗の手を握り返したのが分かった。
『くも‥ん‥か‥いと…』
微かに動いた唇に、戒斗はずっと呼び掛けていた。
やがて、ゆっくりとその目が開いた。
『貴方、どうして…』
眼鏡がなくても、戒斗のその険しい表情を見て取れた彼女は戒斗の目を見詰めた。
「お前が入院したと、仲間から聞いた…どうしてこうなったんだ」
『あの日、あの後私、逢ってしまったんです‥‥二度と逢わないと思っていたあの父親に。…私、怖くなって、逃げようとしたけど遅かった‥体はすくむし声は出なくて、気付いたら全身傷だらけで、意識が遠くなったと思ったら…もう…っ』
──ザックの話が頭を過る。
やはりあの噂は本当だった。