リク短編集
第2章 先生×生徒
慎二side
「…っ…」
――桜田は、自覚が無いのだろうか…
慎二は、隼人に説明している間、隼人が自分をずっと見ていたことは、
知っていた。
だから、俺に気があるんじゃないかと浮かれていた。
最初は、それこそ“尊敬の眼差し”で見ていたと思っていたが…
熱っぽい目で見てくる、と気付いたのは説明の後半辺り――…そう、俺が本気で
顔に何か付いてるのか…と思い、桜田の顔を見た時だった。
桜田は、俺を惚けた表情で見つめていた。
ドクッ
俺は…更に、桜田を好きになってしまったのだ。
――ダメだろ…生徒を好きになるなんて…
俺はその日、胸が高鳴り過ぎて、一睡も出来なかった。