リク短編集
第2章 先生×生徒
―――――――
―――――
―――
「じゃーんけーんぽん!!!」
それから数日経った、ある日のことだった。
「うわぁ…僕…?」
じゃんけんをしていた隼人が嫌そうな顔をして呟いた。
…隼人のクラスでは、誰が生み出したのか
“告白じゃんけん”というものが流行っていた。
だが、ただのじゃんけんでは無い。
じゃんけんに負けた人は、偶々そこを通り掛かった人に告白するのだ。
お互いが、お互いを好きであろうと嫌いであろうと関係無い。
いわゆる、罰ゲームだ。
隼人が嫌そうな顔をしたのは、それもそのはず
隼人は負けてしまったからだった。
だが幸いその通路は人通りが異常な程少ないので、何分経っても人は現れなかった。
「…ちっ、なんだよ、面白くねぇな」
そう誰かが呟いたからか、皆はぞろぞろと教室へ帰っていった。
もとより、隼人は嫌々じゃんけんに参加させられていたので、
ホッと胸を撫で下ろした。
…が、その時。
自分たちの目の前を、誰かが歩いて行くでは無いか。
良く見るとその人物は、
教師、速水慎二、であった。