声を届けたい
第16章 夜
ナビを使い…
目的地の病院に着いた…
空はすっかり暗く…
夏の星座が…
綺麗に夜空に広がっている…
「綺麗な…星ね…」
『うん…
毎日…こんな星見てたのかな?守も……』
駐車場には…友チャンが…
病室から来てくれた…
「…お兄ちゃんは…この空…見えて無かったよ…」
振り向き…友チャンを見ると…
充血した目で…
私たちを出迎えてくれた…
『友チャン?見えてないって…』
「お兄ちゃん…去年の冬に腫瘍が大きくなって…倒れてさ…
腫瘍が視力の部分圧迫してて…失明したんだ…
4月の初めの方はギリギリ見えてたから…手紙も書けたみたいだけど…
ひとチャンから連絡もらった時には…全く…見え無くなってて…」
え……
だから…メールは…無理って…
病室にいくまでに…
秘密にしてて…ごめん…と何度も謝られたが…
知らない方が…幸せだったかもと…
無責任な事すら…
思ってしまった…
夜の…病院は…静かで…
寒い…