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夜会で踊りましょ!!

第12章 ショーを並んで

「あの!」
 翼女が急に振り向く。

「は、はい!」
 柾季は伸ばした手を引きもどして、気を付けをする。


「あ…な、にか、私…」
 翼女がカチンカチンに固まっている柾季を見て不安そうにしている。


(やば!!)
「あ、あの…み…ぁ!耳!そう、耳。痛くない?」
 柾季は急いで、体を気を付けをなおして、自分の用事を先に言う。

「?み、耳ですか?」
 柾季の質問に驚いて、聞き返す翼女。

「うん。ここ、結構、音、大きいでしょ?耳、痛くない?」
柾季は、言葉をはっきり発音しながら、ゼスチャーを混ぜて話す。

「はい!大丈夫です」
 翼女も少し言葉をはっきり言う。


「そう!よかった!ここで、音をよく聞くなら、耳の前に、手を、置いていると
いい感じで聞こえるよ♪」
 柾季はオーバーなゼスチャー付きで説明する。

「ありがとうございます」
 翼女は柾季の真似をして見せる。


 柾季は親指を立てて笑う。

 翼女も笑顔で返す。


 二人は、そのまま舞台の方を見ている。




(危なかった…何度もボディタッチはやっぱり、引くよね…ヤバいヤバい!!触り魔に思われる)
 柾季は翼女がショーを楽しんでいるのを確認して、大きく深呼吸した。



(こうやって、僕と一緒にいてくれるってことは、脈あるのかな…)
 翼女の横顔をチラチラ見ながら、顔を染める柾季。


(……?あれ、さっき翼女ちゃん何か言うつもりだったんじゃないのかな…)
 自分のテンパリが落ち着いてきて、記憶をたどっていた。

(話かけてくれてた?!あぁぁぁ!せっかくの会話をはしおってしまった…)

 柾季は自分の行動に後悔している。

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