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夜会で踊りましょ!!

第16章 浴衣を着るまで…

衣紋の位置、抜き加減を決めて、
衣紋を取ってつめて、
背中を下に軽く引っ張ります。

こぶし1つが目安♪

「いいこと♪あの優等生もいつかはオオカミになるんだから、一人で着れるようになりなさいね♡」
 伊達締めを上から巻きながら言う爽果。

「もう…そればっかり…」
 なすがままの遥香。


「よし、はるか出来上がり…」

少し体を左右に揺らし、バランスを見る爽果。



「次は翼女ちゃんね…」
 爽果が翼女の方を向くと、すでに翼女はある程度自分で着ていた。

「自分で着れるの?」

「あわせてくらいなら…」

「いいわよ。
 自分で着れると、いつ どんな時でも乱れを直せるから♡」
きゃはっと笑う爽果。

「爽果姉さん…(また下ネタに走る…)」
 困った顔の遥香。

「下ネタじゃないわよ♪
 青春よ♪
 大好きな子と手を取り合って♪
 見つめあって、ささやきあって、体を重ね…
 うーん青春だわ…」

 夢見る少女のように瞳をキラキラさせている爽果。


「さて、あなたの王子さまの目にとまるようにしないとね♡」

「王子…って、私は…(爽果お姉様のGLを想像しそうです…)」

「いい目をしてるわ♡恋はいいわよ」

「え!」
 翼女は動揺している。

「翼女ちゃん。
 あなたはもう少し女性であることを自覚してください!」
 浴衣をスルスルっと流れるように着つけていく爽果。


(私の魅力…)
「私なんか、爽果さんのような魅力は…」


「こら!
 折角の魅力を『私なんか』って隠したらもったいないわ」
 爽果が翼女の顎をクイっと上に向ける。


(顎クイだわ♡)
 心がニヤける翼女。


「もう。私にその顔しないの!」

「あ、すみません…」
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