テキストサイズ

夜会で踊りましょ!!

第15章 タチバナ様に出かける前

「はー」
 柾季が部屋を出て行った事を確信した翼女は一気に緊張が溶けた。

「ごめんね。あのバカ気がきかなくて…」
 遥香が翼女に言う。

「だ、大丈夫…ちょっと背後からの声掛けになれていないから…」
 両手を広げた状態で笑って言う翼女。



「ネイルが乾く時間の間に髪型したいのよね……じゃ、遥香ちゃんはこの髪形風」
 爽果はブラシをくるくる回しながら言う。

「はい!よろしくお願いします」
 遥香は元気よく返事をする。

「えーっと、ツバメちゃんだったわよね?決まった?」
 爽果が翼女の方に近づく。

「はい。私は今感じの…」
 髪形のサンプル写真の本の表紙を指さす。

「……そんな、普通のでいいの?」
 翼女の選んだ髪形に納得していない。

「はい。普通でいいです」
 翼女が照れたような顔で言う。


「遥香!さっきの男の子が翼女ちゃんの?」
 爽果は親指をたてる。

「まだです。今日が勝負なので、だからガンガン攻めてください」
 遥香が親指を立ててて言う。

「遥ちゃん!」
 照れたような顔で怒る翼女。

「いいじゃない。本当の事なんだから」
 ニコッと笑う遥香。

「まだか…よし!お色気で攻めるぞ!」
 目が怪しく輝く爽果。

「普通でいいんです!」
 真っ赤な顔して返事をする翼女。

「大丈夫!私に任せて!」
 ヘアブラシを握り直してウインクをする爽果。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ