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夜会で踊りましょ!!

第16章 浴衣を着るまで…

   * 時間軸に戻ります *



「…よぉし!髪形OK!じゃ遥香 浴衣着ようね♪」
 爽果がポンと背中を叩いて、遥香を立たせる。

「浴衣♡ 浴衣♡はい、そで通して!」

 爽果は浴衣を羽織らせる。

「はーい」
 遥香は爽果の動きに連動して体を動かしている。



 翼女は、自分の浴衣の袖に手を通して準備をし始める。

「あら、翼女ちゃんは自分で着れるの?」
 驚いた表情の爽果。

「あ、はい、うち母が早くに他界してますので、一通りのことは父が教えてくれて、着れます…
でも、バランスとか…それに今日は踊りますし…」
 何気なしに、翼女はお尻のラインを気にする。



「柾季もいるしね♪」
 遥香が茶化す。


「遥香ちゃん!」
 茶化されて顔がほんのり赤くなる、翼女。 


「帯締めるまではジッとして!」
 爽果が遥香の動きを封じる。

「あ、はい…」


「うふふ すぐ可愛くなるわ♡」
 爽果は手早く、腰ひもを縛っていく。

「なんですかぁ、いつもは可愛くないみたい」
 膨れる遥香。


「ふふ♡いつも可愛いわよ」
 爽果は膨れている頬をつつきながら笑う。


「ここ、手入れてて」
 爽果が遥香の手を取り、身八つ口(わきの下の小さな穴)に誘導する。

「中から支えててね」


 その間に前後のおはしよりのシワをきれいにのばす爽果。

「私的には、もっと“セクシー”が、ほしいけどな…」
 上前を合せる衿は、V字に ゆったり合せながら、首をかしげる爽果。

「橘様ですよ!」
 遥香が苦笑しながら言う。

「わかってますよぉだ!」
 コーリングベルトを身八つ口から入れて衿の端を留め、
背中から前に回して、もう片方の衿を留めて固定する。

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