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夜会で踊りましょ!!

第4章 小学生の翼女(わたし)

「遥香ちゃん。帰ろう」
 廊下から他のクラスの女の子が数人入ってきた。

 『遥香ちゃん』っと、呼ばれた女の子の周りに沢山の女の子が集まる。

「ごめんね。今日は親戚の家に泊まりにいく事になってて、まだ帰らないの」
 顔の前で手を重ねる遥香。

「お迎えなの?いいなぁ…お泊りかぁ」
 女の子がうらやましそうに言う。

「そう?でも。そこには同い年の従姉弟がいてね。その子ったら…」
 遥香は柾季を思い出して、クスクス笑っている。

 私は自分の机で帰る準備をしていた。

 私はまだ、遥香ちゃんと話したことがない。

 人気者の遥香ちゃん。頭が良くて、足は速くて、いつも笑顔の女の子。

 私とは全然違う。私は…人見知りだし。足遅いし泳げないし…

「泊まり?今日は柾季ん家?」
 あの輪の中に入っていく男の子がいた。

「うん。叔母さんが迎えに来る」
 男の子と普通に話している遥香ちゃん。

 あの男の子は歩睦君。遥香ちゃんの彼氏。毎日一緒に登校してくるラブラブな人。

 いつも、ニコニコしてて、他の男の子みたいなガキ的行動はしない。(さわいだり、ひやかしたり…)やっぱり、ラブラブな人は余裕があるんだと思う。

「柾季も来るかな?」

「うーん?どうかな?公園に行きたいってついてくるかも…」

「柾季って噴水公園好きだよな」

「そうね。星見山来たら、絶対『行きたい』っていうのよ。ホント植物オタクなんだから…」

「遥香だって、負けないじゃん」

「私を柾季と一緒にして欲しくはないわ」

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