16歳に恋する23歳の俺。
第3章 会話
「あ、あの……えと………」
何も答えられないでいると
その人は…慧(ケイ)は、首を掴んでいる手の力を
強くしていく
「け、慧……苦しい…よ」
そう訴えるが、
慧は更に力を強くする
「優美花がさっさと答えないから
いけないんだよ…?
ほら、早く答えないともっと苦しくなっちゃう」
ググ…と強くなる手に
あたしの息はどんどん荒くなっていき
血が止まっていく気がして、意識も飛びそうだ
とても喋れる状態じゃない
「慧…話す、から……
離し……て…」
途切れ途切れに精一杯伝えると
いきなり手を離して
あたしは勢いで壁にドンッ!!とぶつかった
「で…?何してたんだよ?」
真っ暗なのに目が慧を捉える
慧の目は氷のように冷たくて
見ていると心臓が跳ね上がって見たくなかった
でも、顎を指でクッと持ち上げられているため
目を合わさない訳にはいかない
息を整えながらあたしは少しずつ話す